武漢で発生した新型コロナウイルス肺炎に関するお願い

現在武漢で発生している新型コロナウイルスについて

約1ヶ月前、武漢で原因不明の肺炎が発症しているとのニュースが流れていました。1ヶ月経った現在、武漢で発生した原因不明の肺炎は「新型コロナウイルス」による肺炎と原因が突き止められ、世界中を震撼させる大きな感染症へと成長しました。そして、1月23日に武漢市以外への感染の拡大を防ぐ目的から武漢市が閉鎖されるという異常な事態が発生しました。

街が閉鎖されるという前代未聞の状況に面し、武漢市内に取り残された日本人が専用チャーター機で帰国しています。武漢市内に滞在していた日本人の帰国に対して「帰ってこないで」「帰国は日本でウイルスの感染を広げるだけ」などの声が世間では上がっています。チャーター機で緊急帰国した日本人の方々、そして武漢という街への対応について私からのお願いです。武漢に滞在していたわけでも、武漢の現在の本当の姿を知っているわけでもありませんが、1人の中国への留学生として、中国と関わりのある一学生として日本のみなさんにお願いがあります。

新型コロナウイルスの影響は中国全土はもちろん世界各国へ

原因不明の肺炎が新型コロナウイルスが原因であるとわかったものの、中国政府が新型肺炎の発症を隠蔽していたため、1月25日の春節に合わせて中国各地で多くの人々が飛行機や高速鉄道を利用して移動していました。

「中国政府の対応がもう少し早ければここまで大きく感染が拡大しなかったのではないか」と悔やまれるところですが、もう過去には戻れません。

1月20日までは中国でも大きなニュースとはなっておらず、日本のニュースで原因不明の肺炎が武漢の海鮮市場で働いていた人だけに症状が現れており、人から人への感染はしないと報道されていました。中国当局が情報を開示していなかったからです。その後、習近平国家主席の指導の元、肺炎患者数の報告が義務付けられました。

その結果中国各地で「新型コロナウイルス」による肺炎が相次いで発症しているということが明らかになったのです。中国政府の初手が遅れた結果、春運ラッシュと重なり中国全土だけでなく世界各国へ新型肺炎ウイルスが蔓延することとなってしまいました。

最新の新型肺炎情報はこちら

1月23日 武漢市が閉鎖される

1月23日未明、武漢市が当日午前10時に閉鎖されるというニュースが発表されました。これ以上の感染拡大を防止するとの理由ですが、「閉鎖すると言ったら閉鎖する」とここまで異常な速さで統治できるのはおそらく中国だからでしょう。そのため、武漢市から出たくても出られなかった人がたくさんいます。

1月24日 中国全土の観光地が閉鎖される

武漢市閉鎖を決定した翌日1月24日(この日は春節の大晦日です)中国全土の観光地が閉鎖される事態となりました。これ以上の感染を防止するためです。観光地の閉鎖に関しても1月23日に武漢市が閉鎖された時と同様に、なんの前触れもなく閉鎖となりました。

観光地だけでなく図書館等の公共施設(人が集まる場所は全て閉鎖、人が集まる大型イベント等も全て中止)も閉鎖されたため、普段は市民も利用できる大学も封鎖されてしまい、大学内の寮に入るためにも学生証を提示して登記をしなければならない状況となりました。

1月25日 街がゴーストタウンと化す

1月24日に中国全土の観光地や公共施設が閉鎖される事態となり、街がゴーストタウンと化しました。街がゴーストタウン化したのは、武漢市だけではありません。

私は当時西安に滞在していましたが、西安でもそして急いで寮に戻った上海でも同じような街全体が気味が悪いほど静かで全員N95マスクを着用しているという異常な雰囲気が漂う状況でした。政府ができるだけ家で滞在するように呼びかけていること、観光施設が営業していないからという理由がありますが、台風などで避難指示が出ていても数人しか避難しない日本の状況とは大違いです。

1月27日 上海交通大学の春学期の授業延期が発表される

1月27日に上海交通大学より春学期の開始時期を延期するとの連絡を受けました。当初2月下旬からスタートする予定だった次学期の開始時期は未定です。中国に戻って春学期の留学を継続できるのかも今のところはわかりません。

追記

感染拡大が止まらず、むしろ世界中を震撼させる事態となってしまったため、交換留学は中断となりました。現在はオンラインで交換留学を継続しています。

まさかの中国留学中断!これからどうする? 【交換留学】オンライン授業ってどんな感じ?

チャーター機で帰国した日本人に対する配慮のお願い

私は武漢市内に滞在していたわけでも、チャーター便で帰国したわけでもありませんが、上海に留学しており中国現地の様子を肌で感じてきました。1月24日までは西安で旅行をしていましたが、町全体の異様な雰囲気、そして武漢市内が急に閉鎖されたことを受けて緊急一時帰国しました。中国に居続けることは正直に言うと怖かったです。

  • 中国全体が異常な雰囲気に包まれている
  • 普段はマスクをつけない中国人が全員N95または医療用マスクを着用している
  • ありとあらゆる場所が閉鎖されている
  • ニュースの速報では肺炎の患者数が日に日に急増している
  • もし感染した場合、医療機関を受診することはできるのか
  • 誰からの支援を受けることもできず入院となってしまったら…
  • 食べ物が足りない、マスクが買えない

私が一番怖かったのは、もしも中国で新型コロナウイルスに感染して肺炎を発症してしまった場合、中国で医療を受けることができるのかということです。

武漢市内のニュースを見ていると、診察まで2日待ちであったり、ベッドが足りず家に帰されていたり…という状況です。このような状況で、しんどい中1人で病院へ行き、完璧ではない中国語でやり取りをしないといけないと思うと不安でたまりませんでした。

チャーター機で日本に帰国した日本人の中にコロナウイルスに感染している人が出ており、日本での感染拡大が心配されていますが、どうか「帰ってこないで」「感染症を広めるな」などの冷たい言葉をかけるのではなく、「ゆっくり休んでね」「もう日本だから大丈夫だよ」などの優しい言葉をかけてほしいと思います。

上海に滞在していても新型コロナウイルスに感染するのではないかと不安と恐怖でいっぱいだったので、武漢市内に滞在していた人たちは私の何倍も不安と恐怖でいっぱいだったと思います。こればかりは日本にいたらわからないことで、現地で実際に見たり雰囲気を肌で感じた人しかわからないことです。街はまさにこの世の終わりのような雰囲気が漂っていました。目に見えない敵との戦いは想像以上に心的ストレスとなります。

武漢に対する配慮のお願い

新型コロナウイルスが流行するまで「武漢」という街はあまり知られていませんでした。そのため、今回の件で武漢を知った人はおそらく「武漢=新型コロナウイルスの発生源」と認識してしまうでしょう。

武漢市内の海鮮市場で野生動物が生きたまま売買されていたことが原因で今回の新型コロナウイルスが発生したとされていますが、武漢に住んでいる人全員が野生動物を食べている、購入しているわけではありません。武漢に住むほんの一部の人たちが野生動物の売買を行ったり、野生動物を食用としています。

ですので、「武漢の人は野生動物を食べるらしいよ」「武漢は新型コロナウイルスの巣窟だ」などの目で見るのではなく「新型コロナウイルスの影響が収まったら、これまで聞いたことのなかった武漢という街に行ってみようかな」などの温かい目で武漢を見守ってほしいと思います。

まとめ

武漢で発生した新型コロナウイルスによる肺炎の感染症流行を受けて日本に一時帰国したということもあり、新型コロナウイルスに関するワイドショーの特集を目にする機会が増えました。武漢という街に対する目の向け方、チャーター機で緊急脱出した日本人の方々への目の向け方、自分が実際に相手の立場になったつもりで温かい目で迎えてほしいと思います。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です